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第7章 AKG K501 [室内用ヘッドホン]

このところ、しばらく密閉型のヘッドホンの紹介が続いたので、

第7章では、開放型のヘッドホンを紹介してみたい。

今回紹介するのはオーストリアの、AKG K501

日本のヘッドホンとは対極的な、気品さえ感じる音・・・

まるで、ウィーンの風を感じさせてくれるかのような音・・・

実は私、ウィーンには行ったことは無いのだが(笑)、

思わずそんな詩的な言葉を使いたくなるほど、

独自の高域の美しさ、清々しさというものを感じる。





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海外のヘッドホーンの有名メーカーには、

ゼンハイザー、アーカーゲー、シュアーなどのように、

元々はマイクロフォンで有名なメーカーも多い。


人によって感じ方に違いもあるだろうが、

音のバランスとしてはフラット指向である。

低域の量感やアッタク感を強く感じるタイプの音では無い。


音には透明感があり、明瞭でありながら痛さは感じない。

時としてコンデンサー型の音に喩えられることもあるが、

似て異なる個性と独自の魅力を持っているとも言えるだろう。





高域はハッキリスッキリ出ているのだがとても繊細な高域で、

決してシャリつく感じや音割れするような感じでは無く、

燐とした気品さえ感じる清々しい高域である。

いく分感じる硬さは、むしろ弦楽器の再現の際などに独特の魅力を発揮する。


定位感がとても明確で、目の前に楽器が並ぶような感じだ。

音場感もほど良く、モニターの明確さとはまたひと味違う気がする。

センターボーカルが近くとても瑞々しいが、決して押し付けがましくは無い。


低域はやや量感は抑えめで、かと言ってそれほど引き締まっているという訳でもない。

好みのわかれるところではあるが、

高域や中域のじゃまをしない低域とでも言ったところだろうか。





全体的にもパワー感や厚みで聴かせるタイプではなく、

薄味で穏やかさの中にキリっと筋の通った感じの音だ。

濃密さを求める方向性の音では無いと思う。


よく女性ボーカルやクラッシクの小品(特に弦楽)に合うと言われ、

おそらくその通りだと思うが、

女性ボーカルは、ポップスなど場合によっては若干キツく感じる場合もある。


迫力や厚みを求めない聴き方ならジャンルは問わないとも思う。

ロックも、すっきり気持ちよく聴けたりするので、それはそれで楽しめる。





イヤパッドの装着感は、

柔肌の女性には、少々粗めのザラつく感じがお気に召さないかもしれないが、

私にとってはサラっとしていて気持ちよく感じる。


120オーム、94dBと、ポータブルでは少々使いづらいかもしれない。

開放型でハウジングも大きいので室内専用として考えるといいだろう。


環境に左右されやすいと指摘する向きもあるが、

もともと薄味のスッキリした個性自体を楽しもうとするのであれば、

室内環境であれば、さほど問題無いような気もする。

この機種に、もう少し柔らかさや線の太さを求めるなら、

真空管アンプなど、アンプを換えてみるのもいいろう。





そろそろ上位機種のK601やK701の国内販売が始まったようだ。

先日、幸運にも最上位機種のK701を試聴する機会があった。

より高い性能と余裕を感じる素晴らしいモデルであったが、

柔らかさも増して、K501のスッキリとした個性とは別の、

高次元でのオールマイティーさを感じた。

そういう意味ではK501もまだまだ魅力的であり、

価格も考えると、高品位リスニングの入門機としての役割は、

今までと変わらず果たしてくれそうだ。 



AKG スタジオ・モニター K-501

AKG スタジオ・モニター K-501

  • 出版社/メーカー: AKG
  • 発売日: 1997/02/13
  • メディア: エレクトロニクス





この頃のマライアはいいですねー
これだけハイトーンなのに、イタく無いっす!

Emotions

Emotions

  • アーティスト: Mariah Carey
  • 出版社/メーカー: Columbia
  • 発売日: 1991/09/17
  • メディア: CD




個人的にはイエントル・メドレーがオススメ!
映画の中の自分と、見事なまでのデュエットをしてしまいます!!

Barbra: The Concert Highlights

Barbra: The Concert Highlights

  • アーティスト: Barbra Streisand
  • 出版社/メーカー: Columbia
  • 発売日: 1995/05/02
  • メディア: CD




意外にハマルのがクイーン
ボーカルパートの多重録音も鮮やかに、暑苦しくなく・・・(笑)

A Night at the Opera

A Night at the Opera

  • アーティスト: Queen
  • 出版社/メーカー: Hollywood
  • 発売日: 1991/09/03
  • メディア: CD




こういうサントラの小品にも合いますねー
メルヘンチックで異国情緒がなんとなく胸キュンものです

魔女の宅急便 サントラ音楽集

魔女の宅急便 サントラ音楽集

  • アーティスト: サントラ
  • 出版社/メーカー: 徳間ジャパンコミュニケーションズ
  • 発売日: 2004/09/29
  • メディア: CD


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コメント 18

moonrabbit

K701を聴いた後でのK501記事ですか。う~ん意味深。(笑)

値段設定にもよるでしょうけど、これからの立場といいますか、位置といいますか、どうなるんでしょうね。まぁK601の評価も固まらないと何ともいえませんが。(^^;

それにしても選挙区・・・選曲がそうきますか。ためさんの守備範囲の見え隠れしますね。エモーションの頃のマライヤは痩せていましたね~じゃなくて、若くていい声でしたね。今は貫禄を感じます。( ̄  ̄;
by moonrabbit (2006-03-15 17:11) 

赤毛のヘッドフォン、1本くらいは持っていたい気もします。が、デジカメの臨時出費の傷が癒えるまでは…他の機材もあるし、ソフトのバージョンアップも…(^-^;
という次第で、どうしてもヘッドフォンの優先順位が低くなってしまうのでした( ̄▽ ̄;)
by (2006-03-15 17:52) 

ためごろう

 moonrabbitさん、nice!どうもー!
>K701を聴いた後でのK501記事
そこがヘッドホンの楽しいところじゃないですかぁー(笑)
性能だけでは語れない楽しみが何かしらあるのだと思います
K601もぜひ聴いてみたいですね
確かにオススメCDは笑えるかも(笑)
まあ、毎回ですけどね(^^;
by ためごろう (2006-03-15 18:58) 

ためごろう

 Tad先生、いつもnice!ありがとうです
デジカメご購入おめでとうございます!
AKGはひとつは持っていたいと思えるメーカーですよね
半密閉型のK240studioは比較的安くて優秀な機種だと思います
サウンドハウスなら10200円ですね
リスニング用途にも評判の良い機種です
by ためごろう (2006-03-15 19:07) 

Ryo

遂に私も足を踏み入れてしまったので、いきなり具体的に感じてしまうのでした。
今後ともよろしくご教授ください。
by Ryo (2006-03-15 23:26) 

kaizo

K701が欲しいなーでも高いなー(笑)

ところでK501はコンデンサ的といわれてますが、ためごろうさん的には似て非なるものなんですか?

コンデンサ的というのが良く分からないので、ご意見伺いたいなー
by kaizo (2006-03-15 23:34) 

haru_one_of_a_kind

アカゲ、ひとつは欲しいヘッドホンです。
私もこのままスパイラルに突入しそうで・・・。
選曲の最後のCDにグッときました(笑。
こーゆーのも聴くのですね。
何だか、意外でした。

大変お恥ずかしいことなのですが、この記事を読むまでアカゲがオーストラリアのメーカーかと思っていました(汗。
by haru_one_of_a_kind (2006-03-15 23:39) 

うぃん

AKGかぁ・・・どうも聴きなれない音です。
透明感があるというのはとても魅力的ですね。

この前の試聴会、K501もK701も数十秒しか聴いていないのでイマイチ分からなかったと言うのが本音ですが、両方とも高レベルでしたね。でしゃばらない感じが好印象でした。
僕は密閉型の音のほうが好みのようで、K501は注目していなかったのですが、少し興味を持ち始めました!
by うぃん (2006-03-16 02:31) 

ためごろう

 SWEET16さん、nice!&7506のトラバ返しありがとうです
MDR-7506ご購入おめでとうございます!
モニター用のストレートな音の世界の他にも、
めくるめく官能のリスニングの世界も広がっていますよー!
(^^
今後もよろしくお願いいたします
by ためごろう (2006-03-16 17:48) 

ためごろう

 今、某所で話題のkaizoさん、コメントどうもー!(笑)
K701、もう少し実売価格がこなれてくるといいですね

コンデンサー型の印象としましては、もうひとつのブログの記事に書いたような感じなのですが、
http://blog.so-net.ne.jp/headphones-music/2005-11-14

なんとなく薄く透き通るような音の印象やおしつけがましくないのは似ているのですが、高域のある種のアラさやキツさには、この機種独自のカラーを感じます

音の出方がダイナミック型としては、風圧のようなものを感じない部類ですが、背景も含めた音の粒子のキメといった点ではダイナミック型の音を感じます

ちなみにER-4Sにも、似て異なるものを感じたりして・・・
(^^;

うーん、うまく説明できなくてすみません・・・
by ためごろう (2006-03-16 18:06) 

ためごろう

 ハルさん、nice!ありがとうです!
AKGには、絶賛して止まないファンもいますね
その魅力はなんとなくわかるような気がします

サントラ盤はけっこう好きですよー(笑)
久石譲は好きな作曲家のひとりです
確かに今回のオススメは何やらネタっぽいですね・・・(^^;

オーストリアとオーストラリアは読み間違えやすいですよね
ウィーンがキーワードかもしれません
by ためごろう (2006-03-16 18:25) 

ためごろう

 うぃーんさん、じゃなかったうぃんさんnice!どうもー(^^;
私自身が日頃あまりクラッシックやジャズを聴かないので、ポップスやサントラ、ある意味ではロックもおもしろいですよーというオススメCDになりましたが、K501をお好きな方にはクラッシックがお好きな方が多いのかもしれません

確かに密閉型の鳴り方とは違った良さがありますね
私も個人的には密閉型の鳴り方は好きですが、両方あると、気分で楽しめます(^^
by ためごろう (2006-03-16 18:26) 

モッズパンツ

高品位リスニングの入門機かー。イイナー。 (´∀`)ノ
クイーン・・・ナツカシス (´・ω・`)ノ 

(^ー^)ノシ
by モッズパンツ (2006-03-17 01:07) 

kaizo

K701は指をくわえて皆さんのレビューを見.ることにします。やっぱり初物は高い(笑)

やっぱりコンデンサとダイナミック型は似て非なるものなんですか。うーん、欲しい!
私コンデンサ型の音が気になってためごろうさんの記事を穴が空くほど見ました(笑)
by kaizo (2006-03-17 03:23) 

サダー

AKGってオーストリアだったんですね。
赤木さんという日本人が創設した・・・・なのかなって思ってました(超小声)

ハイエンド機でもコレくらいの値段っていいですね。
by サダー (2006-03-17 08:10) 

ためごろう

 モッズパンツさん、nice!ありがとうございます
K501はこのシリーズとしては、K401、K301の最上位機種と言ってもよかったのですが、K601、K701の発売によって一気に普及機になった感じです
ですが、その魅力は健在であり、あらためて独自の個性を持った優秀なモデルのひとつだと思えます
by ためごろう (2006-03-17 08:43) 

ためごろう

 kaizoさん、様子見もだいじです(笑)
もう少し評価が固まってからでもいいし、実売価格が下がるとなお嬉しいですね

私のコンデンサー型に対するイメージはキムコタイプのもので、
開放型のイメージが強いのだと思います
オメガ2に関しては、なんというか密閉性があるというか、
若干感じ方が違うかもしれません

コンデンサー型に関しては、必要以上に方式の違いを意識しないで良いと思うのですが、やはりどこかで違いを感じているといった次第ですね・・・

黒川さんが2020を購入してK501を手放されたのも頷ける部分もありますし、私が手放せなかった理由もどこかにあるのだと思います

ただし、あえて言いますが、Fレンジや解像度を含めた性能的にはK701の方がハッキリ上だと思います
個人的には、K701は高度にバランスが良くなった分使い易くなり、あらためてK501の高域が楽しく感じた部分がありました
ほんとにK601も聴いてみたいです
by ためごろう (2006-03-17 09:06) 

ためごろう

 サダーさん、nice!ありがとうです

>赤木さんという日本人が創設した

・・・ガセビアですね(笑)
確かにありそう!

これが「スタジオ・モニターシリーズ」というのが個人的にはイマイチ、ピンとこない部分ではありますが、あらためて日本のモニター事情との違いを感じます

なんでもスッキリ楽しめるのですが、個人的には使いどころを絞って使うとさらに楽しめるモデルという気がしますね
by ためごろう (2006-03-17 09:15) 

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