エージングの誘惑 [ちょっと一服]
ヘッドホンのエージングについては人それぞれの意見があると思う。
エージングの方法も人それぞれだろうし、
中には「そんなものプラシーボ効果だ」と言う人もいるかもしれない。
何が正しいか、ではなくて、
今回はエージングで思うことを少々・・・
個人的にはバーン・インと同じ意味でエージングという言葉を使っているが、
ようは「音の慣らし運転」のような感じである。
音の印象自体が激変するという程ではないにしろ、
確かに使い始め、特性が安定していく変化を感じる事が多い。
その機種の「鳴り方」に、自分の耳が慣れていく、という部分も、
多分に含まれるかもしれないのだが、
どうもそれだけで済ますには、反って無理があるような場合もあると思う。
最も顕著なのは、最初、特定の周波数だけがビビっていたりすることがある。
エージングを知らない人が聴いたら、初期不良だと思うかもしれない。
具体的には、たとえばエレピの高い方だけがビビるとかそんな感じだ。※1
おそらく大量生産でおきる個体のバラつきのようなもので、
たとえ同じ機種でも、そうなるものとならないものがあると思う。※2
しかし、音楽をかけて聴いているうちにそれが消えてしまうことも多いのだ。
この場合、どう考えても、そのビビリに耳が慣れて、
ビビリと感じなくなった、とするのは無理がある。
第三者にも聴いてもらえばわかることだろう。
別のケースとしてよく感じるのは、低域や高域が暴れている感じがして、
どうも一定の鳴り方でないと感じることだ。
いわゆるF特性がとても不安定で、ただ強く出ているという感じでもない。
同じ曲でも急に引っ込んで聴こえたりする期間があったりする。
また違うケースとして、微小レベルでの不安定さを感じることも多い。
ある程度の音量で鳴っている時は、比較的解像感が出ているのに、
音量を絞ると、明らかに解像感が落ち、しょぼしょぼの音になってしまう。
コレはその機種の性能限界や特徴ということも考えられるし、
この「音量」による聴こえ方の違いには、多分に聴く側の感性も関係すると思うが、
聴いていて、その違いがあまり感じられなく変化することも多いのだ。
音色の固さがとれて柔らかくなったり、
高域や低域が伸びてきたり、
ボワボワしていたのが締まってきたり、
音量が稼げるようになってきたり、
そんな事を感じることはけっこうあるものだ。
個人的には、ここら辺の変化を聴きながら、
初期エージングがだいたい終了したかの目安にしている。
で・・・、前置きが長くなったが、本当に書きたかったのはココから!!!(笑)
私はエージングをしながら、音の変化を楽しんでいるのだが、
良くあるのは、「この時点で止まってくれたら!!!」
と思うことである。
まだまだF特性が不安定であったりしても、自分にピッタリ来るバランスだったり、
完全に落ちつく前の荒々しさがエネルギー感に感じられたり、
音としては、そのままでもけっこう楽しいと思えることが多いのだ。
でも聴いているうちに、やがては特性も落ち着き、
音も落ち着いて、その機種固有の特性に安定していく。
なるほど、評価通りの特徴を持った音になったりするのだ。
エージングの過程で一瞬に近いタイミングで自分が好む音を見つけた時、
「ああ、時よ、止まってくれ!」と思ってしまうのだ。(笑)
止まらないのがわかっていても、
安定するのは良いことだとわかっていても、
せめてその一瞬だけでも存分に味わいたいと、いつも思っている。
その楽しみは、まさにオーナーだけの特権だと思うのだ。
注釈
※1
CDの録音状態や、音楽ファイルの圧縮の失敗の場合もあるので、
他のヘッドホンやイヤホンで確認してみることが大切。
できれば同等か、より性能が高いヘッドホンがあるとなお良い。
今まで使用していたイヤホンやヘッドホンでは、
それさえ気づかなかったという場合も考えられるからだ。
※2
バラつきである以上、ビビっているなら交換又は修理対象なのだろうが、
そんな時は少しだけ待ってみると、面白い経験ができるかもしれない。
50時間ぐらい鳴らしてみても、ビビリが直らないようなら、
その時はそのことを説明して、初期不良で交換してもらえばいいわけだし、
保証が付いている製品なら、安心してチャレンジしてみるといいだろう。
XLO/Reference Recordings: Test/Burn-In CD
- アーティスト: Various Artists
- 出版社/メーカー: RX
- 発売日: 1996/02/01
- メディア: CD
左右の確認や位相の確認、システム・バーン・イン用トラックなど、
持っていると、何かと重宝する
後半にはジャズなどの音楽トラックも入っている
まあ、普段自分が好きな音楽を聴いてるだけでいいと思う
その際、できるだけいろんなジャンルの曲をかけるといいかも
- アーティスト: シカゴ交響楽団, シカゴ交響合唱団, ホルスト, レヴァイン(ジェームス), ヒリス(マーガレット)
- 出版社/メーカー: ユニバーサルクラシック
- 発売日: 1997/09/05
- メディア: CD
勢いがあってイイ! たとえ間違っちゃってても(ってオイッ!)
・・・別にシャレじゃありませんよー(笑)、いわくつき名盤かな?
- アーティスト: Sarah Brightman, George Borodin/Wright Robert & Forrest
- 出版社/メーカー: Angel
- 発売日: 2003/06/10
- メディア: CD
サラバンドが入ってないけど・・・、コッチの盤がオススメ!
- アーティスト: 石川さゆり, 谷村新司, 奥慶一, 佐伯孝夫, 若草恵, 橋本淳, 三原綱木, 喜納昌吉, 岩谷時子, 藤田まさと, 宮川彬良
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 1999/10/20
- メディア: CD
トラック5の途中、謎の声アリ(笑) ペッパー警部もヨイです?
エージングって大きな効果はないと分りつつも、色々と期待していまいます(笑
音の変化の過程を楽しむのは、本当に楽しい!ワクワクしちゃいます。
ゾネホンはエージングで大きく変わるとか言われていますが、僕のDJ1はあまり変わらなかったなぁ・・・。
by うぃん (2006-03-03 16:57)
うぃんさん、nice!ありがとうです
基本的には過度の期待は禁物ですよね(笑)
できれば、「楽しみのひとつ」程度に考えているといいと思います
一番避けて欲しかったのは、買って1時間も聴かずに「自分には合わない」と判断して投げ出してしまうことです
意外にそういう方も多いと思うんですよね・・・
そのヘッドホンを理解するという意味でも、
ある程度の時間は慣らしてみる、聴いてみる、という行為をしてから、自分に合うかどうかの判断をしても遅くはないと思うのです
ゾネホンに関して言われている「激変」や「ヒャッホウ」は、
あくまで主観的な話で、楽しみ方のひとつ、だとは思います
(^^;
ただ、なんとなく理解できる部分もありますね・・・
たとえば、チタンメッキ・ドライバーや、
ハウジングが木のモデルなど、
音が安定するまで時間がかかるように感じます
by ためごろう (2006-03-04 10:33)
>この時点で止まってくれたら!!!
僕のオヤイデの電源タップのことですね(笑)
もともとDS8000のノイズ取りのため“だけ”に購入してしまったものなのですが、購入当初は低音がかなり増幅されていて映画用にばっちりでした。
・・・ところが数十時間後、低音はおとなしくなってしまったとさ(;´Д`A
by ahtoh (2006-03-04 12:10)
ahtohさん、nice!ありがとうございます
そういうことって確かにありますよね
特に聴感上低音が安定していくことって多いと思います
もちろん高音とのバランスでそう感じるのかもしれませんが、
低音の出方に注意を払うと、変化を感じ易いかもしれません
by ためごろう (2006-03-04 13:53)
エージング楽しいですよね。私は新しいヘッドホン買うたびにワクワクしながらやってます。
私もここで止まってくれたらというか、エージングが進んで低音が収まってきたりすると「低音もったいな!」と思ってしまうことがあります(笑)
それにしてもso-net重たいですね~(;´Д`A
by kaizo (2006-03-05 01:29)
kaizoさん、ワクワクしますよねー!
やはり低音が締まって来る傾向ってありますよね
その途中って、けっこう魅力的だったりします(笑)
最終的に落ち着くと、解像感も充分出てきたりするのですが、
途中のなんとなくやや太めの音というか、
うねり気味の感じの時が、ワクワクしちゃいます!(笑)
とにかく、使い始めの楽しさみたいなものを感じることは、
決して悪いことでは無いと思いますね
たとえ半分は思い込みだとしても(笑)、
その楽しみ方はやめられませんねー(^^
so-net重過ぎで、申し訳ありません!
現在、ブログの移転を含めて検討中です
by ためごろう (2006-03-05 15:45)
そねっと重いですね。
なかなかコメント打つまでにたどり着きませんでした。
スピーカーを設計している知り合いに、スピーカーって構造や原理はほとんど進化していないと聞いたことがあります。
かなりアナログなどころがあるようですね。
エージングによってコーン紙の何かがどうかなるんでしょうか。
なかなか深遠です。
by サダー (2006-03-06 02:34)
サダーさん、重いところnice!ありがとうございます
スピーカーの原理や構造は、確かにもっとも原始的かも?
それは人間の耳が変わらないからなのかな?(笑)
エージングによる効果は、ユニットのつながりとかあるのかもしれませんね
永い目で見ると、木の箱の鳴り方とか、
ギターに似た部分もあるのかもしれませんね
ヘッドホンの場合、ドライバーはほとんど金属だったり、
ハウジングはほぼプラスティックだったりしますが、
電気信号が流れる以上、特性が安定するとかってありそうです
一番大きな変化を感じるのは2時間から5時間ぐらいでしょうか
その後の落ち着き具合はまちまちですね
by ためごろう (2006-03-06 08:56)
こちらでははじめまして(^^)。
エージングで音が変わる過程、私も好きです。
その一瞬を聞き逃したくないため、5時間ぶっ通しで聴いていることも・・・。
耳に良くないですよね(汗。
by haru_one_of_a_kind (2006-03-07 17:19)
ようこそハルさん、nice!ありがとうございます!
>5時間ぶっ通しで聴いていることも・・・。
お気持ちはわかりますねー
でも途中で何度か休みを入れた方が、ヘッドホンにも耳にもヨイでしょう(笑)
あとは、たとえば最初からあまり大音量でぶっ通し、というのも避けたいところですね
あくまで慣らし運転のような感じですから、途中からは多少ペースを上げていくぐらいの感じがいいのかもしれません
お互い、あまり無理しない程度に楽しみましょう!(^^
by ためごろう (2006-03-07 20:16)
車の慣らし運転でもあるように、ヘッドホンでも鳴らしこみ
というのは重要だと思います。
けどエージング前では「雑音機」とまで言われているゾネホンでも、
顕著な違いはあまり感じられませんでした。それでも微妙に
変化していくのを聴いてると面白いですね~。
自分の2050Aではエージングが進むにつれて低音が少なく
なっている気が……。
時間、そろそろ止まって欲しいです(/Д`)
by MKI (2006-03-08 20:57)
MKIさん、確かに慣らし運転はだいじですね
その間の音の変化についてはとても主観的なことで、
ゾネで言われている雑音機という程のことは私も感じませんでしたね
それでも変化はあるので楽しんでました
STAXについては、私はエージング未経験なので参考になりました
おそらくですが、ポタプロファンにとっては、
エージングの過程で低音が暴れ気味の時、
どっかで「ナイスじゃん!」って感じちゃうのかもですね(笑)
私も止まって欲しいのはだいたい低音です(^^;
でも途中で高音が出だして一旦低音がやたら引っ込んだと思いきや、
また程良く出てきて落ち着いたりすることもありますからね
あとは、どんどん柔らかい音になっていく場合など、
なんか泣きそうでした(^^;
ああ・・・遠のいていく・・・さよなら・・忘れないよ・・・
みたいな(笑)
by tamegorou (2006-03-08 22:06)
こちらでは、はじめまして。(^^; エージングというキーワードなので
こちらにコメントします。
edittion7エージングの真っ最中です。今のところ、低音の押しの強さは
そのまま、高音の硬さが取れてきたかなというところです。
このまま、順調にいけばよかったのですが、どうもヘッドホン自体の慣ら
しより聞き手(自分)の慣らしがまだまだというか、壁にぶち当たった感じ
です。
どんな音が出せるのか、どんな音が得意なのか、いろいろ探っている
うちに、RCAケーブルを変えれば音が変わる?電源ケーブルを変えれ
ば迫力が増す?などと余計な事を考えたり、実際変えたりして、ハッ
と気付けば何やってるんだ?みたいな。
edition7自体は、きっとエージングが進んで良い音になっているはず
なのに、聞き手の自身がうまくエージング出来ていない...。
う~ん、もどかしい。(^^;
何か記事の内容とズレましたね、済みません。
by rx78 (2006-03-09 23:58)
rx78さん、コメントありがとうございます!
まさにこの記事的なお話しだと思います
エージングの音を楽しむ場合は、できればその他の環境は変えない方がいいかもしれませんね
2つ以上の変化する可能性の要素があると、どちらに起因する変化なのかわかりにくくなってしまうでしょう
せっかくですから、まずはedition7自体の変化を楽しみ、ご自分でそろそろ慣れたと思えた頃、その時点でその音に対して対応策をとってはいかがでしょう
私の場合は、ゾネの音場には最初違和感を感じていました
聴かずに流しっぱなしはイヤだったので、休み休みではありますが、
1日の時間としたらかなり長い時間聴き続けてしまいました
それで1ヶ月ぐらいしてやっと耳が慣れてきたかなーという感じでした
今思うと、滅多に(2度と?)できないエージングでしたから、
もっとゆっくり味わいながらやればよかったな・・・と思います
半年ぐらいはゆっくり楽しむにふさわしい機種じゃないかなとも思います
もしかしたら、最終的にご自分のお好みに沿わない可能性もおありでしょうし、はやるお気持ちはお察ししますが、ゆっくり、ゆっくり、楽しんでいただけたらと思います
by tamegorou (2006-03-10 01:03)
またまた、ていねいなコメント返しありがとうございます。
tamegorouさんのコメントを読んで、冷静に考えると思い当たる事が
ありました。実は、エージング途中でもありいろいろ聴いていますが
状況の確認も込めて、同じ曲(女性ボーカル)を最後に必ず聴いて
います。
購入直後は、高音がザラつく感じがあり2・3日でそれは取れて、良い
感じでサビの部分が聴けていたのですが、ある時点からそれが無くな
ったように感じました。
それから、元の感じを取り戻したくて、いろいろといじり始めたのだと
思います。(人ごとのようですが)
今思えば、これが「この時点で止まってくれたら!!!」だったのかも
知れません。(^^;
まだまた変化があるだろう事を期待してもう少し聞き込んでみたいと
思います。
by rx78 (2006-03-11 22:45)
rx78さん、
>状況の確認も込めて、同じ曲(女性ボーカル)を最後に必ず聴いて
います。
これはとても大切なことだと思いますね
私も同じようなことを必ずします
>元の感じを取り戻したくて、いろいろといじり始めたのだと思います。
楽曲単位で聴くと、すごく好きな曲がドンピシャで鳴ってくれたと感じた時の感覚って忘れられないですものね・・・
あくまで個人的な感想ですが、edition7のエージングに関しては、
「揺れ戻し」というか「もみ返し」というか(笑)、そういったことを感じた記憶があります
そうしたことを感じる中で、次第に自分の耳も慣れ、
このモデルに対する理解も少しずつ深まっていったような気がします
まだまだ小さな変化はあると思いますのでゆっくりお楽しみください
その後、周辺機器も含めて、ご自分の好みを追求する環境を考えても遅くはないと思います
根本的な音がお好みとそぐわないので無い限り、
そうした環境の変化やグレードアップに、充分応えてくれるだけのヘッドホンではあると思います
by ためごろう (2006-03-12 02:35)
エージングは重要なのですね。勉強になります。 (^ω^)b
「この時点で止まってくれたら!!!」というのは、なんとなくわかりますね。w (´∀`)ノ
(^ー^)ノシ
by モッズパンツ (2006-03-17 00:49)
モッズパンツさん、nice!どうも!
エージングに対する考え方は人それぞれですし、
「何が正しい」ということではありませんが、
「慣らし運転」をせずに判断することだけは避けたいですね
特に改造する場合や、その他の環境を変える場合も、
その前にそのヘッドホンの個性や性能を見極めるためにも、
重要なことだと思います
「何」を「どうしたいか」というビジョンと「そう考えた基準」は大切だと思うのです
>「この時点で止まってくれたら!!!」
ひとつのヘッドホンに「絶対性」を求めない、という意味では、
そのヘッドホンの個性を肯定的に受け止めるようになったりします
by ためごろう (2006-03-17 08:34)
Hしてお金もらえるって最高だな!!!!
ぶっちゃけテキトーにやっても月30万越えとか余裕だし(笑)
もう仕事辞めて、これ一本で食ってくわ!!!!(* ̄ー ̄)v
http://xr988te.fukushima.coresy.net/xr988te/
by 某ドカタ (2011-04-02 21:04)